
「急にお湯が出なくなった!」「ガスが止まってしまった!」ということはありませんか? 特に秋から冬にかけて多いのが「マイコンメーター」によるガスのトラブル。もしガスが止まってしまっても、異常がなければ自分で復帰できます。
マイコンメーターとは?
マイコンメーターとはガスの使用量を測るガスメーターのこと。ただガスを測るだけでなく、使用時間や状況などを学習・監視するため、マイクロコンピューター(マイコン)が内蔵されています。
通常、目立たない所に設置してあり、LPガス(プロパンガス)の場合、一戸建てならガスボンベの横などにあります。集合住宅では階段下にまとめて設置してあったり、各戸玄関ドア横の鉄扉(パイプシャフト、PS)に隠してあることもあります。






ガスメーターにはいろいろな種類があり、電気メーターや水道メーターなどと間違えやすいですが、上からパイプが2本出てぶら下がっているのがガスのマイコンメーターです。
パイプが左右にまっすぐつながっているのは水道メーターです(下写真)。


マイコンメーターはなぜガスを止めるの?
マイコンメーターはガスの使用状況を覚えているため、ふだんと違うガスの使い方をすると「異常」と感知して、安全のためにガスをいったん止めるようになっています。また、地震などの揺れ(震度5以上)を感知した時にもガスを止めます。
正常時

マイコンメーターは正常です。この表示でガスが出ない場合、器具のガス栓が閉められていたり、器具の安全装置が働いている可能性があります。
<液晶画面のないタイプ>
メーター正面で赤いランプが点滅していなければ正常です。
長時間使用

シャワーや暖房機、煮込み料理などで一定時間以上ガスを使うと作動します。
<液晶画面のないタイプ>
4.8秒おきに2回ずつ赤ランプが点滅します。
●●…(4.8秒消灯)…●●…(4.8秒消灯)…●●…
流量遮断

普段よりもガスの量が多く流れたときに遮断します。冷たい水を給湯器で一気に温度を上げた時に作動することがあります。
<液晶画面のないタイプ>
4.8秒おきに3回ずつ赤ランプが点滅します。
●●●…(4.8秒消灯)…●●●…(4.8秒消灯)…●●●…
感震器作動

震度5以上の揺れを感知するとガスを遮断します。ガス漏れ検知器と連動して作動することもあります。
<液晶画面のないタイプ>
4.8秒おきに1回ずつ赤ランプが点滅します(別の原因でもこの点滅になります)。
●…(4.8秒消灯)…●…(4.8秒消灯)…●…
その他


Bの下にP表示、あるいは「ガス止」表示のみの場合は自分で復帰できません。ご利用のガス会社に連絡してください(連絡先電話番号は通常、ガスボンベやメーター、ぶら下がっている札に書いてあります)。
<液晶画面のないタイプ>
その他の異常を感知している場合、または自己診断中は1.6秒おきに赤ランプが点滅します。
●…●…●…●…●…
マイコンメーターの復帰方法
マイコンメーターの赤ランプが点滅している場合、「開」ボタンを押すと自己診断が始まり、異常がなければ以下の方法で復帰します。
液晶画面のあるタイプ
- 器具栓・使っていないガス栓をすべて閉めます。
- メーター前面の「開」スイッチをゆっくり押し、赤いランプが点いたら手を離します。
※スイッチの形状は色々なものがあります。 - 液晶の文字と赤いランプが点滅するので、1~2分間待ちます。
- 異常がなければ点滅が消え、ガスが使えるようになります。
液晶画面のないタイプ
都市ガスでよく使われている、液晶画面がついていないガスメーターの場合、異常があれば赤ランプが点滅しています。

- 器具栓・使っていないガス栓をすべて閉めます。
- 復帰ボタン、または黒いキャップつきの場合は左に回し開けて中のスイッチをゆっくり押し、赤ランプが点いたら手を離します。
押し終わったら、キャップを右に回し締めて元に戻します。 - 赤ランプの点滅が消えるまで、そのまま1~2分間待ちます。
- 異常がなければ点滅が消え、ガスが使えるようになります。
メーターが復帰する間、マイコンで異常がないか自己診断をしています。その間にガス栓を開けると、またメーターがガスを止めてしまいます。必ず復帰するのを待ってからガスを使いましょう。
復帰しないときは

もし何度スイッチ操作をしても復帰しない場合は、配管や供給設備の異常が原因で止まっている可能性があります。その際はご利用のガス会社に連絡してください(連絡先電話番号は通常、ガスボンベやメーター、ぶら下がっている札に書いてあります)。
「ガスだから怖い」という理由で操作を怖がる方もいらっしゃいますが、スイッチを押して待つだけ。強い地震の直後はガス販売店への電話がつながりにくいことがあるので、いざという時のため、マイコンメーターの場所を確認しておきましょう。