省エネやCO2(二酸化炭素)削減がさけばれて久しいですが、最近ではエコジョーズ、エコキュート、エコウィル、エネファームなど、環境にやさしく、お財布にもやさしい様々な給湯システムが登場しています。
でもどれも似たような名前でわかりにくく、また使い方によっては節約につながらないこともあるので、それぞれの特徴や長所をご紹介します。
省エネ型給湯器
ガスや電気、石油などでお湯を沸かす、従来の給湯器からさらに省エネ性能を高めたものがエコジョーズやエコキュートです。さらに2つを組み合わせたハイブリッド給湯器もあります。
●エコジョーズ 排熱の有効利用でガスの使用量を節約しCO2も削減!

熱源ガス(プロパンガス・都市ガス)

特徴従来型のガス給湯器では排熱として捨てていた、約200℃の排気の熱を再利用(潜熱回収)して二次熱交換器で水を温めます。さらに温められた水を一次熱交換器で加熱することでお湯を作ります。
使い勝手は従来のガス給湯器と変わりません。
メリット | デメリット |
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まとめ今あるガス給湯器を交換するだけなので、比較的安く導入できます。以前はドレン(酸性水)の排水で工事費用がかかりましたが、今は中和器を内蔵しているため、雨水と一緒の排水で問題がなくなりました(一部地域では規制あり)。 従来型より数万円高いですが、使い方によっては数年で元が取れます。
●エコキュート 空気の熱でお湯を沸かしてCO2を出さない!

熱源電気
特徴オール電化住宅に欠かせない「エコキュート」は、冷暖房エアコンと同じく電気モーターでコンプレッサー(圧縮機)を回して冷媒(CO2)ガスを圧縮して温める仕組み。電気料金が割安な夜間にタイマーが働いて、自動でお湯を沸かします。90℃に沸かされたお湯は保温タンクに貯められて、日中は水道水と混ぜて適温にして使います。
メリット | デメリット |
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まとめオール電化のメリットといえばエコキュート。夜間電力で沸かしたお湯をタンクに貯めて日中使うので、1日の使用量を考えたタンク容量を選ぶのがポイント。たくさんお湯を使う家族ならば、初期費用がかかっても、数年で元が取れるほど光熱費を節約できます。
●エコフィール エコジョーズの兄弟? 排熱の有効利用で灯油を節約!

熱源灯油
特徴ガス式のエコジョーズと同様、約200℃の排気熱を再利用して熱効率を95%まで高めた石油給湯器で、蓄電池ユニットを組み込めば、停電でも水さえ出ればお湯が使えます。
メリット | デメリット |
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まとめすでに石油給湯器をお使いであれば取り替えるだけ。蓄電池ユニットがあれば災害時、ガスと電気が止まってもOK。
●ハイブリッド給湯器 「エコジョーズ」と「エコキュート」のいいとこ取り!
熱源電気+ガス(プロパンガス・都市ガス)
特徴瞬発力のあるエコジョーズと経済性の高いエコキュートを組み合わせたことにより、業界最高レベルの給湯一次エネルギー効率を実現。また床暖房と合わせて使えば、エアコンでまかなっていた暖房コストを大幅に下げられます。また太陽光発電を併用すれば、冷房コストも下げられて、日中でもエコジョーズでお得にお湯を沸かせます。
まとめ床暖房と組み合わせれば、割高なエアコン暖房を使わずに済みますので冬場は大きな節約になります。ガスのエコジョーズと併用なので、エコキュートだけに比べてお湯切れの心配もなく、貯湯タンクも省スペースで済みます。
おうちで発電、コージェネレーションシステム
コージェネレーションシステム(コージェネ)とは、自家発電で出た排熱を給湯や暖房に再利用して効率よくエネルギーを使う仕組みです。火力や原子力などの発電所にくらべ、燃料から最大80%近くのエネルギーを引き出せます。遠くの発電所から電気を送るときに失われる電力(送電ロス)もほとんどないため、CO2削減効果もあります。
家庭用コージェネの代表的なものにはエネファームがあります。

●エネファーム 家庭用燃料電池を使った新世代のエネルギーシステム

熱源ガス(プロパンガス・都市ガス)・灯油
特徴都市ガスやプロパンガス、灯油などの炭化水素燃料から、改質器を通して水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させることで発電します。発電時には熱が出るので、これを再利用してお湯を沸かし、タンクに貯めます。
発電は電気の利用状況を見ながら自動で運転するので、電気代を3~4割削減。お湯が足りなくなったときは、バックアップ用の熱源機でガス・灯油を燃やしてお湯を沸かすことができます。CO2は水素を発生させるときに出ますが、燃料を直接燃やすよりも半分近く排出量が少なくなります。
メリット | デメリット |
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まとめ高価で設置場所の確保も必要なため、まだ一般的にはそれほど普及していませんが、最もエネルギーを有効に使い、CO2を削減できるシステムのため、これからの給湯システムとして注目されています。