最近のマンションやアパート、高気密・高断熱住宅は機密性や断熱性に優れている分、空気の流れが悪く湿気がこもりやすいという欠点があります。湿気が多いとカビだけでなく、ダニ・シロアリ発生の心配も・・・
湿気を飛ばす換気のしかた
湿気対策にはまず換気から。上手に行うにはいくつかのポイントがあります。
●自然換気
自然の風の流れを利用するのが自然換気。その場合、大きく一ヶ所の窓を開けるより、対角線上になるように2ヶ所の窓を開ける方が効率的。また風の入ってくる方の窓を15cmほど細く開け、出口の窓を全開にすると流れが良くなります。
●機械換気
換気扇による機械換気の場合、窓を開けて空気の入り口(給気)を確保しましょう。給気が足りないと、いくら強く換気扇を回してもほとんど効果がありません。給気側の窓は全開よりも15cmくらい細く開けた方が、風の流れが良くなります。
冷暖房した温度を逃がさず換気したい場合、全熱交換器で室温をほとんど変えずに換気できるものもあります(写真は 三菱電機の換気空清機「ロスナイ」)。
なお雨上がり直後は地面から湿気が上がってくるので逆に室内に湿気を入れてしまいます。日中一番気温が高く、湿度が低い午後2時頃がおすすめで、できれば10分以上は換気。一階の換気をするときは二階の窓も開けましょう。
カビ・食中毒の対策
カビ予防の3原則は、1. 乾燥させる 2. 低温にする 3. 栄養を断つ です。
ふじまる通信の読者のみなさまに「湿気が多いと気になる所」についてアンケートを取り、以下にその順位ととともに対策をまとめてみました。
第1位 浴室のカビ(31%)
お風呂などの水まわりは濡れたままになりがちでカビの温床に。使用後はしっかり乾燥させるのが一番のカビ予防法です。
市販の防カビ剤もいいのですが、無水エタノール5mlとラベンダーなどの精油5~6滴、精製水25mlをボトルに入れてスプレーすると殺菌効果でカビを防ぐことができます。またタイル目地にロウソクを塗れば撥水効果も。
第2位 食べもの・調理(24%)
多くの食中毒の原因菌は熱に弱いので65度以上で数分(O-157は75度以上で1分間以上)加熱すれば殺菌できます。しかしステーキなどの厚切り肉は中まで火が通っていない場合もあるので、高温多湿の日は生食や生焼けを避けるようにしましょう。また保存の利く食品や消費期限内であっても、開封したものは早めに消費するよう気をつけましょう。
一度火を通しても、温度湿度が高いときは料理に空気中のカビ胞子や雑菌がついて傷みます。すぐ食べないときは食中毒の予防のため、ラップをかぶせたり密閉容器などに入れて冷蔵保存しましょう。また調理品を冷蔵庫に保存するときは、粗熱を取ってから入れないと庫内の温度が上がり他の食品も傷めてしまうので要注意です。
また料理する人も手洗いなどをこまめに。食あたりなどでお腹の調子が悪いときには料理を控えましょう。
第3位 調理器具や流しの除菌(19%)
調理器具や流しも濡れたままにしておくと、そこがカビ・雑菌の棲家に。器具や食器は洗い終わったら水気を拭いてからしまいましょう。ふきん・まな板などもこまめに漂白剤などで殺菌を。また食器洗浄機を活用すると、高温洗浄で殺菌消毒できるので衛生的です。
第4位 室内干し(17%)
部屋干しの嫌な臭いは部屋干し用洗剤を使うと軽減します。また35度以上のお湯を使うと洗剤の効果が上がります。部屋干しメインの場合は衣類乾燥機や除湿乾燥機なども活用するといいでしょう。
第5位 下駄箱・押入れ(7%)
湿気は下の方にこもりやすいので、頻繁に出し入れする物は下段に入れましょう。また市販の乾燥剤は奥底に置きましょう。
玄関から換気する場合、在宅中でも空き巣に入られる(居空き)被害が多くなっています。短時間であっても、ドアチェーンなどを忘れずに。玄関や勝手口に鍵をかけたままでも、換気できるドアもあります(右は LIXIL リフォームドア「リシェント」)。
押入れに置くスノコは木製より、プラスチック製など湿気を吸わないものの方がよいです。模様替えのとき以外でも、晴天のときは扉を開けて風を通す、乾燥剤や除湿乾燥機を活用するなど、湿気がこもらない工夫をしましょう。
*その他(2%)
久々にエアコンを動かすときは、中にカビが発生しているときも。シーズンの始めは部屋の窓を2ヶ所開け、送風運転で10分換気しましょう。定期的なフィルター掃除も忘れずに(節電にもなります)。
また浴室暖房乾燥機などがあれば、浴室の暖房・乾燥だけでなく、衣類乾燥室として部屋干し・換気ができます(写真は リンナイのガス浴室暖房乾燥機「バスほっと」)。
こんなアイデアもお寄せいただきました!
他にもふじまる通信の読者のみなさまからいただいたアンケートから、他にも湿気・カビ対策のアイデアを頂いたのでご紹介します。
銅イオンが効くんです
下駄箱の靴の中に10円玉を入れておくと、臭いがとれます。
[埼玉県八潮市 60代女性]
お弁当の食中毒予防に
食べ物は梅干を利用する。
[千葉県印西市 50代女性]
作り置きにも
お弁当用抗菌シート使用(作り置きの食品にも利用)。
[東京都葛飾区 30代女性]
水切れよく雑菌をよせつけない
アクリルたわしを使う(水分を吸ったものは雑菌の温床)。
[埼玉県八潮市 60代女性]
重曹は万能選手
湿気が溜まりそうなところに重曹を置いて、除湿剤代わりにしています。カチカチに固まりますが、あとは掃除に使えます。
[千葉県白井市 30代女性]
熱湯で殺菌
浴室のカビには温度が45度以上のお湯を1週間に1度壁にかける。
※熱湯を使う際はやけどに注意
[埼玉県八潮市 50代女性]
新聞紙
新聞紙を湿気のあるところに置いておくと、湿気取りに役立つ。
[茨城県牛久市 50代男性]
重曹パート2
洗濯の際、洗剤に重曹を足して消臭します。
[埼玉県北葛飾郡 20代女性]
お菓子の乾燥剤
せんべいなどに入っている生石灰やシリカゲルは、捨てずに靴や通勤カバン、カメラケースに入れて湿気とりに。
[埼玉県上尾市 40代男性]
なお「ふじまる応援隊」では各種リフォームや浴室暖房乾燥機、換気扇の取り付けなども行っています。お気軽にお問い合わせください。